でもそんなあたしを無視してユマは勝手に盛り上がってる。


そんなユマと一緒にクラスの女子も盛り上がり、男子は冷やかし。


・・・何、何コレ。

あたしなんでこんな目にあわなきゃいけないの!?


その時、ふわっと手があたたかいものに包まれた。


「帰ろ?椎名」


かなり大きな声で言ったからクラス中がまた騒がしくなる。


悲鳴が飛び交う中、ユマがあたしに怪しげに笑いかけてきた。

・・なに、その笑みは。


そんな騒がしい中で小川がボソッとあたしの耳元に口を近づけ、ささやいた。


「俺ら、付き合ってるよな?」


『付き合ってなんか・・・』

「椎名、お幸せに!」


今度はユマに言葉を遮られる。


そんなユマの言葉に小川は満足そうに笑い、あたしの腕をひっぱって教室を後にした。


廊下を歩く中、すれ違う人の視線があたし達に向けられる。


「俺の手、あったかい?」


不意打ちに聞かれた質問にあたしは答えようとしなかった。


・・というか、答えるような元気なんかなかった。

だって、こんな風にいきなりいろんな事あって。

みんなあたし無視で話進めていくし。


いったい、何なのよ~~~!?