『こんな姿で行っても、怖がるだけか・・・』

せめて小さくなれたら・・・と想った瞬間、

視線が低くなった。

『小さくなった・・・?』

驚いたが、なんにせよ、これで会うのにましな姿になったと思い、チャイムを押してみる。
「はい?」

扉を開けて出てきた顔を見て、思わず泣きそうになった。

『蓮!』

自分ではそう言ったつもりだった。

「あれ、お前は・・・千影の頭にのってた黒猫か?」

そう言われて、言葉は通じないことが分かった。

『お願い。家に入れてくれないかな?』

でも、また見つかるわけにも行かない。

そう思ってきいてみた。

「まぁいいか!入れよ。あったかいぞ!」

蓮の言ってくれた言葉に、また泣きそうになった。

『ありがとう』

そう言ってから、蓮に抱かれて家の中へ入った。

「なぁ、猫って何食べるんだ?やっぱ魚か?」

次の日の朝、蓮は僕の顔を覗き込みながらそうたずねてきた。

『ふ、普通に考えたら魚だと想う・・・。あ、でも生は嫌だよ!?』

僕がそう答えたのにもかかわらず、

「やっぱり魚だよな!」