次の瞬間、目の前には大広間があった。

「うわ・・・」

つくりがとてもすばらしく、思わず目を見張ってしまった。

『ここの集会所は、位が高いテイルズの者しか使用できないんですよ。ですから、今日集まっている者達も、テイルズとして位が高い者達です』
「へぇ~」

時間があるし、まだ集まっていない者達を待つ間、僕は大広間を見て回った。

この建物から、またいろんな建物に移ることが出来るらしく、たくさんの扉がある部屋があった。
他にも面白いものを見て回った後、出席者が全員集まったらしく、皆それぞれ中央にある長テーブルのイスに座った。
座っている者達を見ると、自分の主人の肩に乗っているテイルズや頭に乗っているテイルズ、大きい者は主人の後ろに控えている者など、様々だった。
ちなみに月影は、今は僕の肩に乗っている。

『お集まりになっている皆さん、どうもこんばんは。今日の司会を務める、妖犬族の「ライザ」です。この一晩、よろしくお願いします』
司会のあいさつにパラパラと拍手がおこった。

『今年のテイルズには珍しい方がおいでになっていますよ!ではまず最初に、各テイルズの名前と、そのご主人の紹介から行きましょう!』
テイルズたちは、我がご主人が一番!と言わんばかりに誇らしげに胸を張った。

月影は流石にそこまでしなかったが、顔は誇らしげだった。

『最初に紹介するのは、闇烏(ヤミガラス)族の「ティシェ」です』

司会がティシェと呼ばれたそのテイルズに、主人の紹介をうながすと、

『我がご主人は、カナダ出身の「リーシャ」様です。ご主人はとても手先が器用でして、小さな鍵穴からでも魔力を流し通すことが可能です。また、闇烏の翼を装備でき、魔力をこめれば空を羽ばたくことが可能です』

ティシェが紹介をし終わると、皆「おぉ~」と感心の声を上げた。

皆の反応を聞き、ティシェはとても嬉しそうにくちばしをカチカチと鳴らした。

『ティシェとその主人リーシャ様、ありがとうございました。次は大蛇(オロチ)族の「シャオラン」による紹介です』