『まだ話していませんでしたね。では・・・』

月影はそう言って、居間へと僕を招いた。

『ゆっくり座りながら話すことにしましょう』

「僕は別にどうでもかまわないけど」

僕の言葉にコクリとうなずくと、月影は深く息を吸い、話し始めた。

『今日あなたを紹介する場所は、「ディグ」という、我ら魔族の隠れ里の集会所です。今日そこでは、テイルズのものが今日までに見つけた、自身の主人を紹介しあう集会が開かれることになっています』

「じゃあ僕は、お前の紹介でその集会に参加するってわけか」

『はい。それで、集合時間は午後10時までとなっております。ですから、ここからだと9時55分頃に出発すると丁度いいかと思います』
「・・・たったの5分でつけるの?そんなに近いところなの?」

『近い・・・というか、その場所から扉が到着する時間をがそのくらいなので、5分程度で行けるわけです』
――・・・なんかまたわけ分からなくなってきたかも・・・。

「ま、まあ、そこらへんはお前に任せるよ。僕全然わかんないし」

『かしこまりました』

【10時40分】

『では、出発前に着替えていただきます』

「・・・着替え?何に?」

『えーとですね・・・』

レイブンはなにやら大きな袋から「クラウン」「タキシード」「尻尾??」などを取り出した。
「・・・何・・・それ・・・」

『私の力とご主人の力をより結びつけるための道具です』

着替えさせられながら、

「これ、絶対着なきゃなんないの?」