海と少女と介護士と

「好きなのか?海。」

「うん。でも実際本物は見たこと無いよ。」

「そうなんだ。」

「だって車椅子だし・・・。」

「行きたくても行けないんだ。」

「うん。」

「いつか絶対見るよ。自力で歩いてでも!!」


自分の足が動かない事くらい知っている癖に、自力で歩いてでも海を見たいと言う海羅の姿はたくましかった。

その海羅を見て俺は【諦めない】事を学んだんだ。







俺は他の生徒と仲良くしながらも常に海羅を見ていた。



【友達】とか【生徒】では無く、ただ目が勝手に追っていた。



海羅は青色の本を持って、一番明るい窓のそばで本を開いては微笑んでいた。