乗り場が見える。あと少しで着く。でも入口が閉まるのが見えた。

切符切りのおじさんに促され慧も中に入ろうとしていた。


「慧!!」
届くはずもない声。

「慧!!」
聞こえないって分かってるのに名前を呼ばずにはいられない。



「けーいッッッ!!」
汽笛を鳴らし船は出航した。