「俺も……」
「はぁ?」
「俺も…お前のこと大嫌いだった。」
ズキッッ―
心が微かに痛んだ。
「東京から来たのか…気取って、スカしてたし…高飛車なヤツだと思った。」
「私たちお互いに第一印象悪かったんだね。」
「でも、こんなに笑ったり、泣いたりするのが激しいヤツだなんて思わなかった。壊れそうなくらい弱いヤツだなんて思わなかったよ…」
「良い意味なのぉ!!!」
「良い意味でも悪い意味も両方。」
そう言って、廉は私を抱きしめた。
私は慧を想ってる…だから、廉の腕から離れたかったのに…体は廉の腕から離れようとしなかった。
やっぱ…私は廉の言った通り弱いヤツだな。


