慧が「好きだ」と言ってくれたのに、私は自分の想いを言葉に出来ない。言えない…病気だってことも。前は全てをさらけ出していたのに、今じゃなにも言えない存在。

「慧、ごめんね…私、」

「碧は…いつもそうだ…一人でなんでも決めちゃってさァ……俺を頼ってくれない…ッッッ」

そっと彼の涙を今度は私が拭いた。

「病気のことだって…」

ドクン―
心臓の音がする。次に来る言葉が怖い。

「病気?」

「プリント貰いに行くとき先生たちが話してたんだ。それで聞いたんだ。先生たちは躊躇ってたよ、でも、どうしてもってお願いしたんだ。」
先生たちが話してた―
ママたちと私が職員室で話し合っていたから、他の先生が余韻に浸ってたんだろう。