怖くて後ろを振り返れない。振り返ったら、きっと全てが彼で満ちてしまうと思うから、振り返れない。 「碧…」 「………」 何も反応しない私から手を離し、目の前に来た。 「…ずっと触れたかった。碧に、」 「………」 「ずっと抱きしめたかった。隣にいるのに距離を感じて、触れたら、壊れてしまいそうなほどに距離を感じたんだ。」 「………」 「ずっと好きだった、」 自然に流れる涙。なんの障害もなく真っ直ぐに落ちる一滴。そんな私の頬に手を当て、涙を拭う彼。