教室へ行くとクラスでは自習と言う名の自由時間だった。 真っ先に行ったのは廉たちのとこじゃなくて、東京から戻った慧のとこ。 「碧、」 「話したいことがあるんだ。」 桃華さんの視線も、クラスメイトの視線も今は何も感じない。ただ、ひとり。慧の目だけを見る。 「丁度良かった。俺も渡したいものあるから。」 一瞬真剣な顔になった慧も、いつものように微笑んで言った。 そして2人で教室を出た。