「ど、…して。」
「そんなに辛いなら、辞めるか?」
辛いなんて言ってないのにパパは簡単に私の思いを見破った。
「前はね、辞めたいって思ってた。慧が転校して来て。でも、今はどんな形でも慧の傍を離れたくないの。友達であっても、何も言わず、彼の前からいなくなる様なことはしたくないんだ。」
「慧くん、こっちに帰って来てるのか?」
返事をする代わりに頷いた。
「辛くないのか?」
「うん、今は廉たちがいてくれるお陰で楽しいよ。」
「そっか、じゃあ無理に辞めることはないな。」
「ありがと、パパたちも体に気をつけてね。」
そういうとママが私を抱きしめ言った。
「碧が望むなら、ママたちはどんなことでもするからね。だから、いつでも頼りなさい。」
「ありがと。」


