「ま、そうならいいんだけどね。私の慧だから、」 そう言って、彼女は教室を出た。 「碧さ、いいのか?あんなこと言って。」 廉の横で純が心配そうに言ってきた。 「いつまでも未練がましいじゃない。だから、いいの。」 「明後日からのオリエンテーリング、慧くんいなくて少しは気が楽なんじゃない?」 チカが私を気遣った。 「そうだね。」 慧がいないのに嬉しく思うのは初めてだ。