「も、もしもし」

カッコつける余裕もなく弾んだ声が出てしまう。

「今、電話くれたでしょう? ごめんなさい、気が付かなくて」

「全然! あのさ、近いうちに会えるかなと思って」

「ごめんなさい。明日から主人もお休みだし、色々忙しくて。お正月が明けるまでは無理かもしれないわ」


『主人』か……


「そう…だよな」

胸が締め付けられるような息苦しさを感じる。分かっていた返事だけれど、実際に言われてしまうと辛い。

「ごめんなさい」

耳に響く、彼女の申し訳なさそうな声。

なにか言わなければ。

「べ、別に! あんたが寂しがってたらいけないと思ったから電話しただけで……」

馬鹿か俺!?

そんなこと言ったら、自分が寂しいって言ってるようなものじゃん。