「俺は……あんたに会えてよかったから」

他人が見たら、15も年が違う人妻に本気になるなんて、と笑われるかもしれない。お互いの心の傷を舐め合うような関係だと、バカにされるかもしれない。

でも、俺は彼女と一緒にいたい。

「俺のこと男として見てなくてもいいよ。その子の代わりでもいい。あんたが嫌なら、触れるようなこともしないから……だから、これからも会ってよ」

「でも……」

胸が苦しくて。苦しくて。

「今まで通り、一緒に飯食ったりしてよ」

彼女を抱き締める手に、思わず力が入る。

「もう会わないとか言うなよ……」

情けないと思いながら、ポロポロと弱い言葉が出てしまう。

「一人にすんなよ……」

俺はズルい。

正直に話さなければいけないことがあるのは、自分も同じなのに……