俺が大人になった冬

彼女の言葉は、とても衝撃的だった。

背中に冷たいものが走るような感覚だった。

見るからにお嬢様育ちっぽいこの人から、まさかこんな言葉が飛び出してくるとは思ってもみなかった。

『15歳』という年にも驚いた。セックスとは遠いイメージだった彼女が、そんな早く男に抱かれ、妊娠、中絶までしていたなんて考えられなかった。

「あ、相手は?」

俺は聞きたくもないのに、混乱してわけも分からずそんなことを口走っていた。

「相手は……そのとき大学生だった家庭教師の先生なの。中学生でそんなこと、よくないことは分かっていたけれど、お互い本気で好きだったし、そうなったのは自然な流れだったわ……先生と関係を持ったのは一度だけだった。でもその一度のことで妊娠してしまって……」

「そいつが堕胎せって?」

「仕方がなかったの。私はまだ中学生だったし。それに、うちの父は厳しい人だから、絶対に妊娠したなんて言えないと思った……だから両親に相談もせずに、2人だけで決めて病院に行ったの。お腹に赤ちゃんがいるって分かって、嬉しい気持ちもあったけれど、不安や、恐怖の方が大きかった。生んで育てる勇気がなかった。そのときの私はお腹の赤ちゃんを『汚い物』と思ってしまったの」

彼女は涙をこぼしながら、過去自分がしてしまったことをきちんと俺に説明しようとしていた。

俺はそんな彼女の話をただ黙って聞いた。