焦ってケータイを開いてみた。しかし、電話の相手はエリナだった。

エリナからの電話は2週間ぶりだ。

重苦しい気持ちのまま、電話を無視することもできず、軽く目をつむり俺の中で『ゴウ』を作ってから電話に出る。

「あ、エリナさん! 今日会えるの?」

俺はエリナからの電話を待ちかまえていたかのように、嬉しそうな声を出した。

なにやってんの……俺。

本当は彼女のことで頭がいっぱいなクセに。

そんなふうに冷ややかに自分の行動を思いながらも体は正直だ。エリナの声に反応して、エリナを抱きたがっている。

俺はエリナの誘いを断ることはできなかった。