俺が大人になった冬




大学の帰りにペアのマグカップを探すため渋谷に寄った。

今までコーヒーなんかを飲むときは、元々うちにあった、どこかでもらったようなバラバラのカップを使っていた。

もちろん彼女が来たときもそれを使っていたのだけれど、今朝コーヒーを飲みながら、ふと『気持ちが通じた記念にペアのカップを買おう』と、思い付いたのだ。

ストラップといい、カップといい、ペアにこだわるなんてなんだか女みたいで自分でも笑えるけれど、彼女と同じカップでお茶を飲んでいるところを想像すると、とても幸せな気分になれる。

とりあえず大型雑貨店に向かい、カップを見てみることにした。

色々並ぶカップを見て、彼女はどんな感じのものが好きなのかと考えてみる。

シンプルな物。

かわいらしい模様の入った物。

アーティスティックな物。

面白い形の物。

最終的に選んだのは、シンプルだけれども色がきれいで持った感じが一番しっくりきた物。

彼女にはアメリカンチェリーみたいなかわいらしい赤。俺には藍色みたいな深い青。

散々悩んだけれど、納得のいく物が買えた。