俺が大人になった冬

「お前なぁ! わざわざおしゃれな包装すんなよ!」

「スッゲー高級そうに見せかけて、実は……みたいな感じがウケるかなと思ったんだよ! な! 必需品だろ?」

「つーか、俺らまだそんなんじゃねぇし」

「でも電話でいい感じだったじゃん。それ使う日も近いんじゃね?」

「ば~か!」

俺たちは顔を見合わせてゲラゲラと笑った。

ヒサは俺にマジで好きな女ができたことを、とても喜んでいるようだった。

けれども、その相手が『人妻』であることは分かっていない。それを知ったら、ヒサはなんて言うだろうか? 

やはり「そんな相手はやめとけ」と言うだろうか。

例えばそんなふうに言われても、彼女と気持ちが通じ合ったばかりで幸せいっぱいの今の俺は、聞く耳も持たないけれど。