太陽のような月

私は帰る準備をして、鞄を適当な机にほって窓際の壁にしゃがみこんだ。

青空だった空は、今は少しオレンジがかってる。

「はぁ、疲れた。」

私はため息をつきながら呟いた。

いつも相談にのる立場。

だけど、誰も私には悩みが無いと思ってるし、私も話そうとは思わない。

だって、皆いつかは裏切るでしょ?

私はまた顔を上げ、空を見た。

何か廊下から足音が聞こえてるけど、気にしないというか気にしてられない。

すると扉が勢いよく開いた。

「…星架!」

「朝霧?」

そこには私の数少ない親友の朝霧 雅也(あさぎ まさや)が立っていた。

「何かあったのか?」

朝霧の容姿は、黒髪のショートでワックスを使って髪を立てている。
顔は幼さが残っているけど整った顔。
声は良く通る高くもなく低くも無い。
性格は、明るく陽気で人一倍心配性だ。
まぁまぁモテるらしい。
「何でも無いよ!ちょっと窓から景色を楽しんでただけ!」

私はいつも通りの自分を演じた。

「隠すなよ?相談のるって聞いてたけど…それで何かあったのか?」

「違うよ。」

「じゃあ何があった?俺達は…親友だろ!星架は相談のってばっかりだけど、俺で良かったら星架の相談のるし!」

私は何回も友達に裏切られた。

でも、もう一度だけ信じようと思った。

「朝霧、帰宅部でしょ。この後用事ある?」

「無いよ?」

「じゃあ…相談にのって?」

「もちろん!」