「…隆?」

中原皐月という女は隆に似ていた。

こんな偶然って、あるだろうか。

たまたま皐月という名前で、千夏と同じ年の女が隆に似ている。

千夏は強い核心を持ってその女が隆の妹だと、
そう思った。

隆は一体どんな思いをしているんだろうか。

大切で愛しい妹がそんな目に遭って、
正気でいられるとは思えない。

隆には危うい弱さがある気がする。

似ているからこそ、
千夏にはわかる。

隆が心配になる反面、
千夏は皐月という女に嫉妬らしき感情を抱いた。