計算できない恋愛




どうすることも出来ず、王子の言うがままに私達は校舎を後にした。



「恭子さんって、誕生日はいつですか?」

1月24日

「血液型は何型ですか?」

B型

「好きな食べ物は何ですか?」

ドリア

「休日は何してるんですか?」

読書



絶え間なく続く質問攻めに何の面白みもない回答をし、いつもより早足で家に向かう私をよそ目に、楽しそうに話す王子。


問うてもいないのに


「僕は2月15日生まれです、結構近いですね」


だとか


「僕はO型です、相性良いですね」


だとか


「僕もドリア好きです」


だとか


「僕も本読みますよ!」


だとか


一人でずっと喋っている。


話題の尽きない男だ。



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