そこに調度、隣の席の高田が通り掛かる。
何て素晴らしいタイミング!
この流れで高田と一緒に帰れば王子とはここで別れられる。
そして私の命も守られる。
「福田ー、今から博物館行くんだけどお前も行くかー?」
・・・
「いや、私課題やるから」
残念だなぁ、なんて言いながら楽しそうに駅へ向かう高田。
役立たずとはこういう奴の事を言うんだろう。
「先輩、せっかくだから家まで送っていいですか?」
白ける私の顔を覗き込んでそんな提案をしてくる王子。
私が返事を渋っていると、パンダみたいに目の周りの黒い女生徒達が黄色い声を上げ、王子に手を振って門を出て行く。
今きっとあの子達は私を呪っただろう・・・
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