「メイちゃん、おかあさんを殺した人が憎い?」


「うん、にくい」


「殺したい?」


「うん、ころしたいよ……ぅえーん!」


「じゃあ、私と一緒に帰りましょう」


「……おばちゃんと?」


「いつか……メイちゃんのお母さんを殺した人を教えてあげる」


「……うん」


女は少女の手を引いて歩きだす。


柔らかい、小さい手―――。




<私はいつか、この小さい手に殺される日が来るのだろう……>



女はその”喜び”を隠そうともせず、その整った唇の端をきゅっと上げた。