一通り遊び倒した土方が真剣な顔に戻る。

「さて、くだらねぇお遊びはここまでだ。総司はいいとしても、こいつの……何だ?」

桜夜が土方に不満気な顔を向けているのが分かったのか言葉を切り、桜夜に聞く。

さんっざん楽しそうに私の荷物で遊んでたくせにっ。くだらねぇ?くだらねぇって何よっ。つーか、私は“こいつ”じゃないってーの。

「おい、言いてぇ事があるなら言ってみろ」

もっと優しい口調できないワケ?哲みたい。サイアク。

「“こいつ”じゃないんですけど…」

少し遠慮がちに言ってみる。

「あ゛?」

うわっ、マジで哲化してるよ。ってか、完全に哲にしか見えなくなってきた。ムカつくっ!

「桜夜です。い・な・ば・さ・よ」

「けっ。くだらねぇ事で話の腰を折るな」

「くだらなくないでしょっ!」

脇に座っていた沖田がクスクス笑う。

「まるで哲くんとやりあってる様ですね」

そこに近藤が口を挟んだ。

「その辺にして、話を進めないか?」

「す、すみません」

「ちっ」

え?舌打ち?舌打ちだよね?今の。う゛~。天敵土方め!

「総司が消えてから、総司はミツ殿が体調を崩し江戸に行った事にしてあるんだ」

近藤が説明をする。

「総司は帰ってきた事にすればいいが、桜夜殿を何とすればいいのか…」

未来から来ました何て言えないもんね。

「私が江戸で拾ってきた。で、いいじゃないですか」

あっけらかんとした顔で沖田が答える。

拾ってきたって…捨てネコ?

「その辺に落ちてるもんじゃねぇだろ」

土方が呆れた声で答え、沖田は残念そうに

「いけませんか?」

と答えた。

…いつまでも決まらなそう。そう思った桜夜が切り出す。

「あの…総司のお姉さんに世話を頼まれた…とかは?あんまり難しく考えちゃうと、突っ込まれた時に困っちゃうと思うんだけど…」

「それもそうですね」

「まぁ、妥当だろう」

あれ?あっさり決定?

何となく言っただけで、却下されると思った。

「次は着物ですね」

そっか。江戸時代にGパンにパーカーはいないもんね。