東京駅集合し、そこから新幹線に乗る。

「総司、電車に乗るのは初めてだね」

「そうですね。楽しみです」

「電車に新幹線。総司、驚きそう」

―新幹線に乗る日がくる程未来に長居してしまいました―

会話が途切れた事に桜夜が不思議そうに総司を覗き込む。

「総司?」

やっぱり、京都に行くから?…帰りたいよね、幕末に。

「はい。いよいよ新幹線に乗れるのですね。初めて桜夜に会った時に新幹線と言われ、本当に戸惑いました」

沖田は何事もなかった様に桜夜と会話を進めた。

「あれは、総司がいきなり現れるからじゃん」

そんな話をしながら駅に着く。

「ここから東京まで行くよ。東京駅集合だからね。新幹線はそこからだよ」

電車を初めてみた沖田は嬉々としていた。

「随分とこちらに慣れた気でいましたが、まだまだ驚かされる事が多いですね」

以前のように不審者丸出しで質問攻めにすることはなくなったが、まだ驚きは隠せない。

東京駅に着き、ツアー客と混じる。

桜夜はわざわざガイド付きのツアーを選んだ。

京都には詳しくないからガイドがあった方がいいと思った。

とは言え、一日はフリーがあるので、沖田の行きたい所に行くつもりだ。

新幹線に乗り込み、ガイドから到着してからの予定が説明される。

そのうちに発車のアナウンスが鳴り、新幹線が動き出す。

沖田を窓際に座らせた。

どんどんスピードを上げる新幹線に沖田は興奮気味に話す。

「早いですね。景色が川の様に流れますよ」

総司、嬉しそう。相変わらず喜び方がカワイイ。

「こんなに早い乗り物でなければ行けない程、京は遠かったのですね」

沖田が呟いた。

…総司。…寂しいけど帰してあげなきゃね。この旅行で手がかりが掴めたらいいな。

沖田の呟きを聞き、ぼんやり考えていたら急に眠気が桜夜を襲う。

あぁ、昨日は変に緊張してあんまり寝れなかったから…

桜夜は気付くとそのまま沖田にもたれかかり眠ってしまった。