沖田が自室へ戻ると布団が敷かれていた。

沖田は布団の脇に座り考えた。

“みらい”とはまるで異国ですね。驚くばかりです。
何より刀がなくとも安全だと。

近藤さんや土方さん、皆さんが見たらどうなる事でしょう。

あぁ、今頃どうしているのでしょうかね。

“みらい”は異国のようで、私達が護ろうとろうとしている現状とはまるで異なっていますね。

では…私達が護りきれなかったのでしょうか……

そういえば、美沙子さんは私達の行く末は教えられないと。

この時代が変わってしまうから…

それは確かに正しいとは思います。

では、私が“たいむすりっぷ”をした意味は?何の為に?

……………

考えても答えなど出る筈がないですね。

…ならば“みらい”を楽しむ事にしましょう。

私が此処に居る意味は…答えは自ずとついてくる事でしょう。

何より“みらい”の甘味を味わってみたいものです。一体どんな味なのか。

それにしても桜夜さんは本当に可愛らしい方です。思わず“自分”がでてしまいましたね。

はっ。そんな事より“みらい”の私は…あれは何でしょう。酷すぎます。

“あれ”をどうにかしたいですね…その位は“みらい”を変えてもお咎めはないと思うのですが。

あぁ、稲葉邸で稽古ができる場はあるのでしょうか?

無事に戻れたとしても稽古が出来ずに体が鈍っていては困りますね。

せめて竹刀でもあれば…

竹刀も“じゅうとうほう”とやらになるのでしょうか?

考えだすときりがなくなりますね。

明日にでも美沙子さんや桜夜さんに聞いてみましょう。

今夜は眠ってしまいましょう。流石に疲れました。

“でんき”の“すいっち”とやらを押せばいいんでしたね。

まるで童になった気分です。

沖田は教えられた通りに電気を消し布団に入った。