総司が刀に手を…斬るの?
私は総司に殺されるの?
…二人で殺されるよりマシ…か…。
幕末ってのもなかなか楽しかったな。バイバイ総司。
桜夜は覚悟を決めるとゆっくり目を閉じた。
「いい子だ」
沖田の声が耳の奥に響く。
それが合図だったかの様に、桜夜が目を閉じた瞬間、綾の足に何かが飛んできて刺さった。
「くっ…」
綾がグラついた一瞬で桜夜は沖田に引き寄せられ、その腕の中に居た。
ん…?痛くない?
桜夜がそっと目を開け、顔を上げると、沖田の顔が間近にあった。
「あ…れ…?総司?」
沖田は少し呆れ顔をして
「本当に斬ると思っていたんでしょう」
そう言うと桜夜のおでこを弾く。
助かったの?
桜夜は綾の方を見ると、綾の足には苦無が刺さっていた。
クナイ?…烝くん?
すると桜夜と沖田の前にスルリ、山崎が下りてきた。
「生きとってよかったなぁ」
そう言って桜夜の縄を切る。
「さて、早く終わらせましょうか」
桜夜を小屋の隅に座らせると沖田は鉢巻きを外し、桜夜の目を隠すようにそれを巻いた。
「見てはいけませんよ」
そう言うと浪士達に向き直る。
「私相手に六人だけですか?…遊びにもなりませんね」
ニヤリと笑う。
沖田は刀を抜くと浪士達に向かっていった。
幾度となく肉を裂く音が響く。
桜夜は目隠しの下でギュッと目を瞑り、終わるのを待った。
勝負は五分と持たなかった。
「終わりましたよ」
沖田は桜夜を立たせると、小屋を出て目隠しを外した。
「ほな、先に報告してくるわ」
山崎は言うより早く山中に消えていた。
あ、お礼言う前に行っちゃった。
桜夜は山崎の消えた先を呆然と見ていた。
「桜夜」
沖田の声にハッとする。
「あ…総司…。ど、どうして来たの?だって倒れてたじゃない。それに…咳は?」
桜夜の問いに少し困った顔をした。
「分かりません」
は?分からないって…。
「約束したでしょう?どんな事があっても護ると」
沖田は桜夜を抱き締める。
「ありがとう」
沖田の腕の中で桜夜は目を閉じた。
私は総司に殺されるの?
…二人で殺されるよりマシ…か…。
幕末ってのもなかなか楽しかったな。バイバイ総司。
桜夜は覚悟を決めるとゆっくり目を閉じた。
「いい子だ」
沖田の声が耳の奥に響く。
それが合図だったかの様に、桜夜が目を閉じた瞬間、綾の足に何かが飛んできて刺さった。
「くっ…」
綾がグラついた一瞬で桜夜は沖田に引き寄せられ、その腕の中に居た。
ん…?痛くない?
桜夜がそっと目を開け、顔を上げると、沖田の顔が間近にあった。
「あ…れ…?総司?」
沖田は少し呆れ顔をして
「本当に斬ると思っていたんでしょう」
そう言うと桜夜のおでこを弾く。
助かったの?
桜夜は綾の方を見ると、綾の足には苦無が刺さっていた。
クナイ?…烝くん?
すると桜夜と沖田の前にスルリ、山崎が下りてきた。
「生きとってよかったなぁ」
そう言って桜夜の縄を切る。
「さて、早く終わらせましょうか」
桜夜を小屋の隅に座らせると沖田は鉢巻きを外し、桜夜の目を隠すようにそれを巻いた。
「見てはいけませんよ」
そう言うと浪士達に向き直る。
「私相手に六人だけですか?…遊びにもなりませんね」
ニヤリと笑う。
沖田は刀を抜くと浪士達に向かっていった。
幾度となく肉を裂く音が響く。
桜夜は目隠しの下でギュッと目を瞑り、終わるのを待った。
勝負は五分と持たなかった。
「終わりましたよ」
沖田は桜夜を立たせると、小屋を出て目隠しを外した。
「ほな、先に報告してくるわ」
山崎は言うより早く山中に消えていた。
あ、お礼言う前に行っちゃった。
桜夜は山崎の消えた先を呆然と見ていた。
「桜夜」
沖田の声にハッとする。
「あ…総司…。ど、どうして来たの?だって倒れてたじゃない。それに…咳は?」
桜夜の問いに少し困った顔をした。
「分かりません」
は?分からないって…。
「約束したでしょう?どんな事があっても護ると」
沖田は桜夜を抱き締める。
「ありがとう」
沖田の腕の中で桜夜は目を閉じた。


