車が急に停まって抱き締められた
そんなに優しくされたら
泣いちゃうよ…
何で、私に優しくするの?
冬哉は、私の事何て思ってないくせに…
何で優しくするの…
「何泣いてるんだよ…」
冬哉に言われて
自分が泣いてる事に気付いた
「泣いてないもん」
否定してしまう
だって…
好きな人には、過去を知られたくない…
「嘘つくな…
前に何かあったんだろ」
「いいの…
だから私に優しくしないでよ…」
「俺は、お前に笑顔でいて欲しいんだよ!
だからそんな顔すんなよ
そんな顔されたら…
俺おかしくなっちまうから…」
冬哉の抱き締める力が強くなった
私も…おかしくしちゃうよ、期待しちゃうよ…
「私、倒産する二日前に社長に告白されたの…
でも好きな人がいたから断ったそしたら……
倒産しちゃって私のせいで…」
「苦しかったよな
辛かったよな…
気付いてやれなくてごめんな」
その優しい瞳で見ないでよ…

