夜の女に恋をした

いやいや、自意識過剰だって。

それは考えすぎだ。

慎吾みたいにカッコイイのならともかく見た目も中身も普通の俺が何を言う。

とにかく明日、頑張らなくては。




「まことくん、久しぶり~。もう、全然連絡くれないしっ!!!」


待ち合わせをしていた大きな公園の噴水の前に着いて俺の姿を見た瞬間、えみちゃんは大声でこう言った。

薄そうなコートと膝丈のフワリとしたスカート、ブランド物のバッグが目立つ。


「ごめん、連絡しようと思ってたけどタイミング悪くってさ。」


ちょっとバレそうな嘘をついたが連絡しようと思ってたということを最初に強調しておいた。


「もう、ほんっと待ったよー。じゃ行こっ!!」

そう言ってえみちゃんは俺の左手に腕を絡ませた。

わざとか??

えみちゃんの大きな胸があたっている。

そう、えみちゃんは結構巨乳なのだ。


「どこか行きたいとこある?平日だから多分あいてるよね。」

「う~ん、じゃあ新しく出来たイタリアンのお店に行こうよ。」


イタリアン、そういえば雑誌に大きく載ってたっけ。

あんだけ大きく載せれば誰もが記憶に残しておくもんだな。


「オッケー。じゃあそこね。」


それからたわいない話をしながらお店まで歩いた。

他の人が見たらまるでカップル。


腕をガッチリとえみちゃんは絡ませていた。