夜の女に恋をした

家に着くと電気を付けた。

誰もいない部屋。

シーンとした静けさが響き渡っている。


テレビを付けると少しだけホッとした気がする。

静かなのが嫌いだから。


明日も仕事ということもあるし、俺はすぐ風呂に入ることにした。

時間は12時過ぎ。

そろそろ寝ないと明日も早いからきつい。


シャワーを簡単に浴びて部屋着に着替えてまたリビングに戻る。

そこでまたビールを1本あけて飲んだ。

付けっぱなしのテレビから芸人の笑い声が聞こえていた。


ちょっと好きな芸人だったから俺はソファーに座り、テレビを見た。

そのとき、携帯が光っているのに気付いた。

俺の携帯は着信かメールが来たらイルミネーションがその内容を見るまで光る仕組みになっている。


折りたたみ式の携帯を開くと〔新着メール 2〕の文字。

2件も・・・

誰だろう。


開くとフォルダの受信フォルダと友達のところにそれぞれ〔1〕という文字が付いている。

友達のところを見ると前に合コンで知り合った女の子、えみちゃんの文字が。


〔まことくん、今度ゴハン行くって約束もしかして忘れてない??〕

しまった。

すっかり忘れてた。

前にメールでゴハン行こうと言われ、いい返事をして日にち決めて連絡するって話してたまんまだった。


後から返事しなきゃと思いながら受信フォルダを開いた。

たぶんどこかのメルマガか変なメールだろうと思いながら。

でもそこには〔キョウカ〕の文字。

そっか、キョウカちゃんが入れてくれたからグループ分けはまだしてないんだった。


俺は逸る気持ちを抑えきれずさっきよりも早く親指を動かして開いたと思う。