父親の、翠の姿がリビングに現れる。 「碧?学校は」 少なからず動揺したようだった。 「…熱出て、それで」 「連絡位…」 「───…進路の」 翠が振り向く。 「あぁ…先生に会ってな、言っておいた」 「…何で、俺の意見も聞かずにそんな」 「お前の意見…」 翠は碧を正面から見た。 「…そんなもの」 「!っ…」 目の前が暗くなる。 そんな、 そんな絶望。 碧はその場に崩れ落ちる。 熱のせい、だとは思う。 涙が、 止まらなかった。