僕は喫茶店のドアの前に立っていた。

抑えきれない感情は

いつのまにか涙に変わっていった。

中に入ると

「ケンちゃん」

亜由美さんの声だ

「ケンちゃん、会いたかったよ」

その時だった。

こらえていた涙がいっきにあふれ出てきた。

「ケンちゃん、どうしたの?」

そのまま僕は亜由美さんは僕に何も言わず

そのままただ、ただ、僕を包んでくれていた。