【実話】アタシの値段~a period~





次の日も、アタシは学校の屋上に居た。


屋上には、今日も誰も居ない。


だからこそ、アタシは居られるんだけど…。


フェンス越しに見下ろした地面が、なんだか昨日よりも近くに感じた。


死んでしまえば、アタシは、どこへ行くのだろう……


どこへだって行けるのかな……


その世界では、寂しさなんて感じないのかな……


ボーッと、ぼやけ始めた地面は、アタシを急かすようにさえ見えた。



その時、
「あ~~~っ!!」


背後から聞こえた声にアタシは振り返る。

そこに現れたのは昨日の女の子だった。


ねぇ!?覚えてる?

と首を傾げた女の子。


うん、とうなずくアタシに、一方的に自己紹介をして


「名前は?クラスは?」

アタシが一つ質問に答える度に、何が面白いのか、

あははっ

と、彼女は笑った。


キラキラと太陽の光を瞳にためながら


「友達になって!」


と笑った彼女。


つられて笑ってしまったアタシに


「ユキは笑った方が可愛いよ!!」


なんてマヤが言うから

アタシの顔は真っ赤になった。


昨日の今日にして、すごい偶然だと思った。

ううん、
あれは運命だったのかな。


その日アタシには、生まれて初めて親友ができた。


マヤはいつも笑ってた。


つられてアタシも
笑ってた。


いつもいつも
一緒だった。


ずっとずっと
一緒だと思ってた