ガターン
自分の席へ向かう途中、私は"何か"につまずいて転んだ。
"何か"なんて振り返って確認するまでもない。
その対象物は、誰かが故意的に伸ばした足なのだと、私には分かる。
なぜ分かるのか?
これが私の日常だから。
…イジメ。
自分には無縁の言葉だと思っていた。
そこには理由なんてなければ、目的もない。
強いて言うなら、アタシは生まれつき目や髪が少し茶色い。
だけどそんなの、他にもたくさん居るじゃない。
ずっと何も食べなければ、人は死んでしまうのと同じで
ずっと誰もイジメなければ、彼女達は死んでしまうんじゃないかな。
だって、それくらい
あたりまえな顔をして、彼女達は人を傷付ける。

