【実話】アタシの値段~a period~





そしてアタシは夢を見た。


そんなに遠くはない記憶‥


そう…あれは…


16だった頃のアタシ………




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太陽が眩しい。


アタシは学校の


少し錆びれた屋上が好きだった。



休み時間は、いつもそこで過ごした。


ううん。

違うな。


好きだったわけじゃない。



そこしか息をする場所がなかったんだ。



屋上の手すりに肘をついて下を見下ろすと


グラウンドからは笑い声。



組んだ両腕に頬を乗せる。


夜に爪なんて切るもんじゃない、と


昨日の夜、頭の固い伯父に邪魔されて


切りそこねた少し爪の伸びた指先で



コンコンと一定のリズムで


金属質な手すりを弾く。