リビングに来て、
と彼女に告げて寝室を出た。


いそいそと、ケーキの上のロウソクに火を灯しながら


柄にもないな、
と、自分で笑ってしまった。


部屋の照明を落とした時、ユキがリビングのドアを開けた。


大きな目を、更に丸く開いて唖然とする彼女を促して


ロウソクの前に座らせる。


彼女が、戸惑いながら吹き消した火。


一本だけ、消えずに残ってしまったロウソクを、俺が吹き消した。