【実話】アタシの値段~a period~




「へ?ってお前…思った通りのリアクションだな。」


ハハッと目を細めて肩を揺らした浩介に


『なんだ…冗談かーびっくりしたじゃん!!』


と、平然を装おうアタシの心の中は
また不安と寂しさで溢れ始めた。



だけど



隆志を置いて浩介について行くなんて
どっちにしたって無理なこと。



こんな風に独りじゃいられないほど傷つく夜があったって
アタシは今この瞬間でさえ、隆志の笑顔が恋しくて仕方ない。


…なんて言ったら
浩介に本気で呆れられそうな気がして言えなかった。



「俺やっぱダメだな。」


首の後ろ辺りを掻きながら独り言のように呟いた浩介は

小さくため息を吐きながら


ソファーに静かに腰掛けた。





『…何がダメなの?』