精神安定剤のような浩介が居なくなると
アタシはどうなってしまうのだろう
目の奥がギュッと痛くなって
こんな時にまで
自分の事しか考えていない自分が嫌になる。
それでも、
浩介の居ない毎日を思うと
急に迷子になった子供のように
心細くて、心細くて、今にも泣いてしまいそうだった。
いつかもこんなことがあった。
あぁ、あれは
母親がアタシ置いて出て行った日…。
ねぇ浩介
今日はあの日よりも悲しいよ。
もう二度と会えるかも分からない実の母親よりも
また会えるって分かってるアンタが居なくなる方が
ずっと悲しいよ…
そっか…、と俯いたアタシの前
しゃがみ込む浩介の手のひらが
フワッとアタシの頭に乗っかった。
｢ユキ｣
アタシを呼ぶ声は
泣きそうで俯くアタシをあやすように。
｢一緒に来いよ。｣
……
………
……………
『………………へ？』
