【実話】アタシの値段~a period~




コンビニの駐車場。


この辺で唯一、駐車場を構えるこのコンビニは

いつも車でいっぱいだった。


今日は珍しく、隅にスペースを見つけられた俺は

そのまま前向きで車を停めた。




「……またかよ」



車のドアを開けようとした
俺の手を止めたのは

ポツリポツリと
フロントガラスに弾かれる雨の音。



その雨音は案の定、あっという間に強まった。



昨日といい、今日といい、なんなんだよ…


心の中でそう呟いて

睨むように空を見上げる。


俺は一つ背伸びをして 煙草に火をつけた。


煙草を一本吸い終えても、雨が小降りにならなければ


この土砂降りの中に飛び込もう、


そんな どうだっていい小さな決意。




…………運命を変えた小さな決意。