時計の針は、10時を示している。 明日は仕事が休みだというのに、俺はすっかり、ベッドの中に潜り込んでいた。 ふと、携帯を開き、とある名前を導き出す。 ユキ… そして、もう一度、壁に掛かった時計に視線を向けた。 俺がこのかけ時計を大切にしているのには訳がある。 雑貨屋にでも売っていそうな、 他人が見たら、安っぽいと思うであろうこの時計は 月に一度は壁から降ろして綺麗に掃除をするほど 俺には意味のあるものだった。