『やっと気付いたっ』 ソファに座る隆志の肩にピタッと寄り添って 『ハッピーバースディ』 やっと言えたその言葉。 『……隆志?』 何も喋らない隆志を 斜め下から見上げながら 嬉しくて、言葉が出てこないんだ なんて アタシはバカみたいなことを考えた。 「……どこ?」 『え?』 やっと口を開いた隆志の言葉は 想像とはまるで違った。 「あの時計はどこにやったの!?」