【実話】アタシの値段~a period~




『誕生日だから特別待遇だけど


明日からはまた隆志が作るんだよ。』



はいはい、と呆れた声を出しながら


それでも嬉しそうに笑った隆志は


あっと言う間に
お皿を空っぽにした。








時計が変わったことには、まだ気付かない。







『そう言えばさぁ…』



「んー?」



着替えに入った寝室から隆志が顔を覗かせる。



『最近、浩介の様子がおかしいん……


………あ……』




浩介の名前を出した後で


誕生日にまで浩介の話しはしない方がよかったかな


なんて思って


口を噤んだ。







……機嫌悪くなったかな……?





だけど、寝室から出てきた隆志は



「様子がおかしいって…?」



と、それはまるで
心配でもしているかのようで。