【実話】アタシの値段~a period~





―――ピンポーン






アタシの部屋とは違って


立派なインターフォンのモニターを覗くと


照れくさそうに笑う隆志が映っていた。


インターフォンの受話器を手に取り


『おかえり!』


そう言ったら


「ただいまー」


更に照れくさそうに笑う隆志。


自分であえてインターフォンを鳴らしたくせに。


もう可愛くて仕方ない。



『…あれ?』



慣れない機械に
鍵の開け方が分からない。



『あっ!』



そうこうしてるうちに


モニターが真っ暗になった。




あ~あ…





―― ピンポーン



再び映った画面には
笑う隆志の姿。


「あははは、早く開けてよ。」


隆志に聞いたボタンを押すと


鍵はすぐに開いた。