【実話】アタシの値段~a period~





……ユ………


ユ………キ………




まただ…


誰かがアタシを呼んで居る……



誰……?






なんだか




今度は



       とても





安心    する……







「ユキ!!」


その声に目が覚めて


ガバッと上体を起こすと


隆志がアタシを見上げて、心配そうに


「いやな夢でも見た?」


うなされてたよ、

と、手をギュッと握ってくれた。



『……怖くないよ。隆志が居れば怖くない。』




あの頃の夢を見る事は今でも頻繁にあった。



隆志が居なかった頃は


目が覚めても
夢と現実の境目が分からなくて


景色の違いに気付き、正気に戻るのは


いつも明け方だった。