幸せだったここ数日間の記憶がパラパラと崩れ
ユキを見失いかけているのが分かる。
視界からではなく
心の中から。
明日ユキとちゃんと話そう…
俺とのことは遊びに過ぎなかったのか…
俺の誤解かも知れない…
色んな考えが頭を駆け巡りすぎて
結局、何も考えられずに
俺は自分のマンションへと戻ってきた。
部屋の中がだだっ広く感じるのは
なぜだろうか………。
ユキが来て居ない時でも
そんな風に思ったことはなかったのに。
俺は自分のために入れた珈琲を
独りのテーブルで飲みながら。
いつの間にか
俺の心の随分たくさんの部分を
ユキが占めて居たのだと気付いた。

