【実話】アタシの値段~a period~





その時、恋人が小さな声で言いました。


もういいよ


と。



女の子は走りました。


裸足のまんま

遠くまで遠くまで

走りました。



怖くて怖くて

カタカタと、カラダが震えて止まりません。




途中、道に停まった車のガラスに映る自分の顔が


まるで自分じゃないように見えました。




目の上は腫れ上がり

唇は切れ

ピアスで裂けた耳からは
血が流れていました。