その夜のことだった。 隆志からの着信が鳴ったのは。 隆志専用の個別着信音。 ベタベタのラブソング。 設定しながら、柄にもなさすぎて 苦笑いしてしまったその曲が 今はアタシの心臓をかき乱す。 ドンドンドンドンと 祭り囃子のように 低い低い鼓動が 耳にまで聞こえた。