家具や家電を買いに行こう、と 浩介が仕事の合間にやって来た。 そもそも、浩介がこの部屋を探してきてくれたのは 浩介が構える会社の オフィスが入ったビルも この近くにあったから。 女の一人暮らし、 何があるか分からないから、と。 「カーテンやテレビくらい買ってやるから」 そう言ってくれる浩介に 大丈夫、お金はあるから。 と断った。 お金なら、本当にあった。 これ以上、浩介には頼れない。 もう、この上なく 頼ってしまったのだから。