【実話】アタシの値段~a period~




酒を飲んでも
誰と寝ても
少しも紛らわすことの出来なかった悲しみを


あの日から……

クラブでユキを見かけて声を掛けた、あの日から……


少しだけ、和らいだ気がするんだ。


愛する人が、とても大切にしていたユキの存在が

今は、救いなんだ。


しゃべり方も
髪の香りも
瞬きの仕方まで

似てしまうほど、君はユキと一緒に時を過ごしていたんだね。




ユキの傷も

俺の傷も

えぐる事になり兼ねないと


分かっているのに。





なぁ……






マヤ………



君の親友は
俺と同じ目をしているよ……