10分程、ぼんやりと写真を眺め その写真をアルバムから抜き取り、丁寧に封筒に入れ クローゼットの一番上に仕舞い込んだ。 もっとも、どんなに目の届かない場所に仕舞い込んでも 例え、焼き払ったとしても 俺が彼女を忘れることは、生涯ないだろう。 忘れたくない。 忘れられない。 どちらだと聞かれて、 前者だと答えれば、嘘になるかもしれない。 忘れられるものならば 今頃、わざわざ ユキと出会ったりはしなかった。